■反省、2022年。展望、2023年。
賀正 ガチョーン
2010年から続けておりますとおり、新年を始めるに当たって、旧年を振り返ります。
コロナという人類とウィルスとの戦争がやまぬ中、ウクライナで局地の争いが始まり、史上初めてデジタルが主戦場の戦争となりました。2つの戦後が見えません。
2020年に離陸したぼくらの2大プロジェクト、iUとCiPは戦火をくぐり、今年1.0の完成を迎えます。iU、CiP、インキュベーションの3本柱で説明します。
1 iU
「iU」を2020年4月に開学し、ぼくが学長に就きました。
情報ICTと経営ビジネスでイノベーション革新を起こす専門職プロを育てる大学。
世界初「全員起業」。全員が起業に成功して、「就職率ゼロ」を目指します。ただ、学生のうちに一度は失敗して学べる「失敗大学」でもあります。
教員の8割は企業出身。ICT、通信、放送、メーカーなどさまざま。連携企業は500社、客員教授は700名。1000社・1000名に増やします。学生より教授が多い大学です。
校歌は「少年ナイフ」が作りました。世界一パンクな校歌です。
"Let's Go iU " by Shonen Knife
https://www.youtube.com/watch?v=Bwe_zUKU4Yg&feature=youtu.be
「学長くん」によるオンライン講義、ウクレレ漫談、今日のヒトコトなどYouTube、twitter、インスタグラム、tiktok、ブログなどで毎日配信しています。
https://www.youtube.com/iUCHANNEL
突撃インタビュー「学長くんガチョーン」はYOYOKAさん、Dr.ハインリッヒ、隈研吾さん、伊藤穰一さん、いとうまい子さん、佐渡裕さん、ウスビ・サコさん、猪子寿之さんら50名を越えました。
https://www.youtube.com/playlist?list=PLH8Gwsx7Tg9Va6Zp13gr--3WCOOAuTseO
マンガ「学長くんガチョーン」もスタート。
第1話「パンクな大学できました。」
https://bit.ly/3qAAoh0
第2話「超ヒマ社会がくる」
第3話「ジャパンは クールか?」
中国語の発信も始めてまーす
https://www.bilibili.com/video/BV1Te4y1z7Qr/?spm_id_from=333.337.search-card.all.click
1) B Lab
iUの研究所、おもしろい未来をみんなでつくるラボ、B Lab。Beyond, Borderless, Breakthroughの頭文字をとった「B Lab」。
世界の大学・研究所、地域、人材をつなぎ、人々の得意技や知見を融合させ、技術、サービス、コンテンツ、ビジネス、社会を生みだす参加型プラットフォームです。
2) メディアラボ:BSよしもと
墨田区のiUキャンパス内に映像スタジオ「すみだメディアラボ」を設置、BSよしもととしてスタート。iUのコンセプトをパクった「全番組起業」の地方創生放送局。連携していきます。大学をメディア化する「iUメディアプロジェクト」をここから起こしてまいります。
3) 超人スポーツ
身体と技術を融合させ、人機一体の新しいスポーツを開発する「超人スポーツ」。稲見昌彦さんとぼくが共同代表であった社団法人「超人スポーツ協会」を発展させ、B Labに機能を移管させます。
4) eスポーツ
経済産業省+日本eスポーツ連合JeSU「eスポーツを活性化させるための方策に関する検討会」の座長を務め、その報告に沿って「超eスポーツ学校」などのアクションを起こしています。JeSUの特別顧問にぼくが就任し、業界との連携も深めてまいります。
http://ichiyanakamura.blogspot.com/2020/10/e.html
5) 京都大学防災研究所
京都大学の特任教授は、思修館(総合生存学館)から防災研究所に所属を移しました。土佐尚子特定教授のラボにて防災アート&テクノロジーを担当します。京大軽音楽部卒として、あれこれつないでまいります。慶應義塾大学メディアデザイン研究科KMDの特別招聘教授も続けます。
https://www.dpri.kyoto-u.ac.jp/
6) 国際公共経済学会
ベルギーに本部を置き世界13ヶ国に支部のあるCIRIECの日本支部として1985年に設立された学会の会長を務めます。アカデミズムに貢献してまいります。今年末、iUにて大会を開催します。
7) デジタル政策フォーラム
産学官によるプラットフォーム「デジタル政策フォーラム」を発足させました。経済社会、技術などデジタルに関する横断的なテーマをオンライン・オフラインでオープンに議論・提言していくコミュニティ。広く知恵を連結して、論じ、アクションを起こします。
https://www.digitalpolicyforum.jp/
2 CiP
デジタル・コンテンツ産業集積拠点を作る「CiP」。Pop &Tech 特区CiP。社団法人「CiP協議会」が企画する第一号「東京ポートシティ竹芝」が2020年に街開きしました。
通信、放送、IT、音楽、アニメ、ゲーム、お笑い、広告、商社、VC、学校など50社・団体が参加し、内閣官房、内閣府、デジタル庁、総務省、経産省など政府とも連携しています。
産学プロジェクトを走らせます。起業支援も進めています。愛知県はじめ横展開を進めるほか、韓国政府・コンテンツ振興院、スペイン・カタルーニャ州など海外との連携も強化します。
1) ちょっと先のおもしろい未来:ちょもろー!
ポップとテックをギュッと詰めたショウケースイベント「ちょっと先のおもしろい未来」英語名Change Tomorrow を開催します。略してちょもろー。Chomorrow。2022年10月、コロナ中に開催した第2回は3万人の来場。SXSWやアルスエレクトロニカを凌ぐイベントに成長させたいと考えています。
https://change-tomorrow.tokyo/
2) CiPファンド
「CiPファンド」を設立し、起業支援をしています。資金の出し手と起業家とのマッチング基盤が整います。政府・クールジャパン機構とも連携しています。既に8件に出資を実行しました。
3) Artist Commons
アーティストに固有のIDを付与し、コンテンツやグッズ、ライブ等の情報を展開しやすいようにするプロジェクト「Artist Commons」を音楽業界と進めています。CiPをベースに展開、法人化しました。経済産業省の支援を得ています。
4) City Tech
竹芝に先端技術を実装する「City Tech委員会」。ロボット、AI,IoT、5G、8K、ドローン、モビリティ、情報銀行など、まるごと実装します。既に多数のロボット、センサー、AI、サイネージが稼働し、世界トップのスマート地区となっています。
5) 世界オタク研究所
国際オタクイベント協会IOEAと連携して設立した研究所。世界のオタク研究者による総本山です。経産省の支援を得て進めています。
6) Station Ai
愛知県が計画する巨大インキュベーション施設「Station Ai」の設立に関わっており、竹芝モデルの横展開を進めます。
3 インキュベーション
iU、CiP以外のキッズ、ポップ、ネット各プロジェクトも継続します。それらがインキュベーション活動となり、また新プロジェクトがうまれていきます。
1) キッズ
① 超教育協会
教育とテクノロジーの融合を進める団体です。IT、ソフトウェア、コンテンツなど30を超えるデジタル系の業界団体オールスターです。傘下の加盟企業は8000社。経団連、新経連、日本IT団体連盟、内閣府も参加しています。教育IT化の規制撤廃・緩和、家庭のIT環境整備などの課題に取り組むとともに、AI・データ利用など超教育の推進に向け対応を強化します。
② デジタルキッズ
CANVAS石戸理事長率いるデジタルキッズ。ワークショックコレクション、国際デジタルえほんフェアも開催してまいります。吉本興業とNTTが教育コンテンツなどを発信する事業「ラフ&ピース マザー」との連携も強化します。
③ 情報リテラシー
青少年ネット安全・安心政策が新段階を迎えています。政府会議の主査を務めながら対応を進化させます。安心ネットづくり促進協議会では代表理事を務めます。
2) ポップ
① 京都国際映画祭
吉本興業が主導する「映画もアートもその他もぜんぶ」のイベント、実行委員長を務めています。京都の街を広く使い、映画人もアーティストも芸人も学生も子どもも観光客も参加する、他のどこにもない祭典にしていきます。本年、10周年です。
② NHKクールジャパン
日本のクールを発信しつづける番組、18年目です。BSを代表する長寿番組になりました。2022年は「ゲーム」「魔改造」「フェス」「縄文」「レトロ」の巻に参加しました。
http://www6.nhk.or.jp/cooljapan/
③ ご意見番
吉本興業、スペースシャワーネットワークの社外取締役を務めています。内閣府(知財戦略)、総務省(白書、リテラシー)、文化庁(著作権)の委員として政策対応も続けます。
3) ネット
① デジタルサイネージ
「デジタルサイネージコンソーシアム」設立16年。理事長を務めます。
http://www.digital-signage.jp/
② オープンデータ
オープンデータ対策を進めます。DSA「一般社団法人データ社会推進協議会」の顧問として、普及啓発に努めています。
https://data-society-alliance.org/
③ ネット炎上
ネット炎上対策を講ずるプロジェクト。理事長を務める社団法人「デジタルリスク協会」とともに、事例調査、啓発教育などの活動を進めています。
④ 理研AIPセンター
AI研究開発の日本の総本山、理研AIPセンター。コーディネイターに就任し、AI研究と社会経済をつなぎます。iU B Labとの共同研究「みんなの校歌プロジェクト」はじめあれこれ仕掛けてまいります。
⑤ ご意見番
民放連デジタルネット研究会、京都府メタバース会議、京丹後市最高デジタル責任者(CDO)その他を通じ、デジタル化の底上げを図ります。