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Channel: Ichiya Nakamura / 中村伊知哉
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CiPメタバース、開始。

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■CiPメタバース、開始。

メタバースプロジェクト発起イベント@竹芝CiP

ごあいさつ。

「メタバース、web3が次の政策課題として注目されるようになった。

バーチャル空間がパラレルワールドとなることはネット出現以来予期されていた。

ウルティマオンラインから25年、セカンドライフから15年。それなりに蓄積はあった。」





2110月にフェイスブックがメタに改名すると宣言したことがスイッチになった。

VRARNFTブロックチェーンなど、新技術の磁場になっている。

ゲームや音楽フェスなどのエンタメ、教育や観光のための公益目的の場にもなる。

経済や暮らしが営まれ、人々がそこへの依存度を増すことが想定される。」






「するとにわかに、政策課題も数多く立ち上ってくる。

空間を建設するルール、その上での著作権など知財ルール、データや個人情報の取扱い、技術的な標準化、あるいは税制の支援措置も考えられる。

政府もたくさんの省庁が関わることになる。」


そしてメタバースは都市も国家も超えたボーダレスな空間であり、ルール形成や紛争解決の方法もテーマになる。

既に国際的な議論も始まっている。

ただ、まだ概念先行で実態はこれからにつき、政策論議もまだぼんやりしている。

まずはキックオフ。」






第一部:

バンダイナムコ藤原孝史チーフガンダムオフィサー

ソフトバンク加藤欽一部長

JeSU浜村弘一副会長

東急不動産伊丹政俊執行役員

博報堂DYメディアパートナーズ島野真研究所長

音制連浅川真次副理事長

エフエム東京松任谷玉子執行役員






バンナムはガンダム・メタバースで先行し、JeSUもサッカーのeスポーツでメタバースを開催。

ソフトバンクはホークスやフジロックなどで実績があり、バーチャルPayPayドームやショップも運営。

博報堂はKDDI・吉本興業・大阪府・大阪市とバーチャル大阪を展開。

東急不動産は竹芝でデジタルツインを構築しています。



税制や肖像権などさまざまな課題に直面している模様です。

特に音楽業界から、日本の法制度上、メタバース上で音楽が使いにくく、早期解決が求められました。

個々の課題を共有して、つぶしていく必要性が唱えられた一方、アクションを起こして打破するスピード感の重要性も指摘されました。







これら一線のビジネス意見を受け、第二部は政策論議。

平井卓也初代デジタル大臣

内閣府田中茂明知財戦略局長

デジタル庁津脇慈子企画官

国土交通省内山裕弥課長補佐

Thirdverse新清士取締役






平井さんはマネロンやデジタルの所有権など厄介な課題を挙げつつ、日本が先導して解決する期待を表明。

津脇さんはそれらのまとめ役をデジタル庁が担うとする一方、知財・田中さんは権利問題の解決にソフトロー・アプローチで取り組むと話します。






国交省・内山さんが紹介したのは「Plateau」。

Dデータによるデジタルツイン作りの基盤をオープンソースで提供しています。

既に60都市で活用され、竹芝デジタルツインもその一つ。

政府がプレイヤー、サービス提供者としても機能しています。






日本の強みはキャラやIPという見方は概ね一致。

田中さんは、キャラを生む作家、その原作力や世界観に着目し、メタバースやweb3でのコミュニティを軸とする「推しエコノミー」の可能性を示唆します。


一方、新さんがコア技術を海外に握られていることに懸念を表明しましたが、それを支えるエンジニアとクリエイターとの融合が大事になると平井さんが指摘。







さらに津脇さんは、そのテクノロジー&コンテンツの世界を、若い世代の「社会問題解決」に対する関心に向ける可能性に言及しました。






CiPが目指すポップ&テックに、ビジネスだけでなく、次の世代が見すえるソーシャルやサステナブルという世界をつなぐメタバース。とても大きな可能性を感じます。

ポップ、テック、そしてビジネスや社会実装を担う人々をつなぐ、これが基本テーマですね。



平井さんはさらに、「トラスト」を作ることが大事だといいます。

web3の「インチキくささ」を解消するには、案外、日本のまじめなアプローチが役立つと。

これまた大きな宿題です。






CiPとしては実証実験や政策提言など仕事が見えつつも、議論で解決することと、スピード感もってアクションで突破することのバランスも意識します。

「トラスト」を作るという大宿題を考えながら、ポップ・テック・ソーシャルをつなぐ役割を果たしたく存じます。


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