■学長くんのコンテンツ10選
最近の経済系の学生はケインズも読んどらん。
メディア学生もマクルーハンを読んでない。
常識としての小説も映画も音楽も知らないよ。
という教授陣の声多数。
iU「読め見ろ聴け」選集を作ろう。
という話、しましたよね。
iUが選ぶ100作品、を作ろう。
んでまずぼくがきっかけを作ります。
マンガ、音楽、映画、漫才、その他の5ジャンルで各10作を選びます。
と宣言したんですが。
後悔しています。
難しすぎました。選ぶの。
でも選びました。
ぼくが選ばなければ選ばれないリストにすること。
全盛期の表現で、世界最高水準のものであること。
この要件で。
2022年の極私的なリストです。
日本の常識として、まずマンガの系譜を押さえたい。
つげ義春「紅い花」はNHK日本の100冊で唯一入れたマンガです。
大学教授がマンガとは、というお叱りも当時いただきました。
はい、マンガです。
12世紀以来、日本が独自に発展させた表現です。
戦後の非・手塚系の常識を選びました。
52年のまっぴら君、パンクな表現が新聞連載されていた土壌を称えます。
60年代のつげ兄弟による劇画という日本独自の領域開拓にも敬意を評します。
赤塚さんはギャグだけでなくキャラ作りという点でも新領域を開拓されました。
少女漫画というこれも独自の領域として、個人趣味で田渕さんを入れました。
岡崎さん一ノ関さん松本さんは、90年代以降、進化し成熟した領域で歴史に残る奇跡です。
ほしさんは鉛筆一本で一気に描ききった、成熟へのカウンター、つまりパンクの代表です。
次点は、川崎のぼる「巨人の星」林静一「鱗粉」谷岡ヤスジ「メッタメタガキ道講座」、野田サトル「ゴールデンカムイ」。
音楽、といっても戦後20世紀のポップのみです。
洋楽5、邦楽5。
洋楽は69年フランス、74年ドイツ、78年イギリス、81年多国籍、83年アメリカ。
いずれもパンクです。
無理やり国で分けましたが、時期は近く、あのころのパンク噴出な空気が今もスキです。
XTC Outside Worldを次点にしました。
邦楽は50、60、70、80、90年代から一つずつ。
50-70年代はプロの作詞・作曲家が作りプロが歌うプロの時代。歌謡曲・アニソンから。
80年代からは自作自演の才能が爆発しました。どんとは永遠です。
次点は麻丘めぐみ「アルプスの少女」、少年ナイフ「ロケットに乗って」。
映画も戦後の洋画5,邦画5。
洋画も63年イタリア、65年フランス、72年スペイン、74年スイス、95年アメリカ、国で選びました。
パンクな作品を並べました。
欧州はみな表現の開拓。
トイ・ストーリーは、映画100年にしてフィルムを使わない製作手法の転換というパンクです。恐怖映画。
次点はイタリア・パゾリーニ「テオレマ」、フランス・ルコント「髪結いの亭主」、ドイツ・ヴェンダース「夢の夢の涯てまでも」、スペイン・エリセ「ミツバチのささやき」、アメリカ・スピルバーグ「レディ・プレイヤー1」。
邦画は61年、63年、63年。日本映画の円熟期。
娯楽の主役がテレビに移る少し前の、世界に冠たる輝きです。
川島雄三がオズ、クロサワより評価されるときが来ると思います。
そこから育った世代としての北野さんと河瀬さん。
欧州の映画祭で高く評価された双璧です。
次点は円熟期の溝口健二「山椒大夫」、黒澤明「用心棒」、大島渚「少年」、マキノ雅弘「昭和残侠伝」。
そして新世代の岩井俊二「PiCNiC」、阪本順治「顔」。
日本独自ポップで、極度の進化をとげ、まだ海外展開していない分野として漫才に光を当てます。
60年代のいとこい、70年代Wヤング、80年代ダウンタウン。
90年代のコテコテ、ティーアップとメッセンジャー。
ここまで、基盤。
2000年代、M1王者3組。
そして今を切り拓く2組。
漫才までで疲れました。
ゲーム、アート、アニメ、小説、デジタル、フィギュア、CM、建築、おもちゃ、フード・・。
それぞれ10作を選ぶ作業をすべきところ、果てて、10ジャンル1個ずつ挙げました。
世界的にみて天下取ったよね、というものを並べました。
って書いている最中にも、対抗馬を思い出して、ランクインしたり次点に落ちたりという事例がいくつも起きていまして、ブレブレです。
「音楽の聴き方」レジェンド立川直樹さんも、選ぶのは苦痛とおっしゃってました。
なのでこれは2022年のぼくの一断面ということでよろしく。
あなたの10選を教えて。