■クリエイターへの還元策!?
文化審議会著作権分科会基本問題小委員会。
今年の議論が始まりました。
クリエイターへの適切な対価還元策について、
・私的録音録画補償金へのブルーレイディスクレコーダーの追加
・新たな対価還元策
・社会的な理解
どう考える?がお題。
コメントしました。
2005年の補償金を巡る対立や2008年のダビング10を巡る調整に関わった記憶からみて、ブルーレイの指定に折り合いがつくとすれば、ネット化の進展はじめコンテンツ流通構造の変化や日本の機器産業の立ち位置の変化など多くのことを物語る。
新たな対価還元策はその変化を踏まえた次元のものとする必要。
その際、ポイントが2つある。
1) 還元というのは、どこからの還元なのか。
これまでは機器製造からの還元を議論してきた。それが
・PFなどネット事業者 なのか
・スマホユーザなどの電波利用者
・広く一般つまり納税者
そのイメージによって取りうる選択肢も異なる。
2) どの程度の還元が妥当なのか。
本来コンテンツに来るべき対価が遺失している、その市場の失敗が理由なのであれば、量的にいくらで、どこに遺失利益が流れているのか、コンテンツの外部経済/波及効果がどの程度なのがデータで示されて、政策が立案されるべき。
調査とアカデミックな分析が必要。
関連して、「社会的な理解」は極めて重要。
かつてソフトとハード、コンテンツと機器の産業は睦まじい関係だった。
機器メーカがレコード会社を持ったり映像会社を経営したりしていた。
いつしか対立するようになり、今日に至る。
気がつけば米IT企業が市場を握っている。
これは関連産業の経営戦略の問題であるだけでなく、役所を超えた国家産業政策の問題でもある。
そしてコンテンツの生産や消費をどう大切なものとして扱うのかという教育問題でもあろうと思う。
これを機に何らか大きな問題提起をしてみたい。