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Channel: Ichiya Nakamura / 中村伊知哉
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メタバースの未来とは。

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■メタバースの未来とは。

 京都スマートシティエキスポ2022

「メタバースの未来」。

クラスター加藤直人CEOと対談しました。

オンライン/オフラインのお客様の誰よりぼくが楽しんだと思います。

https://smartcity.kyoto/expo2022/speaker/ksce2022_speaker/#nakamura





facebookの改称以降バズっているけど、ハビタット、ウルティマ、セカンドライフと10年おきに蓄積はあった。日本も「あつ森」のような実績がある。政府も動き始めた。どう読む。

いや、加藤さん著「メタバース」に全部書いてあるよ。

聞いてみよう。という1席。


加藤さん発言のぼく解釈を記します。


「クラスターは国内最大のメタバースプラットフォームで、バーチャルイベント開催実績は世界一。

 バーチャル渋谷のハロウィンやバーチャル大阪でのM1グランプリ、ディズニーにポケモンもイベント開催。

 そしてユーザーが空間をどんどん作っていて、店を開いて商売を始めている。」


当面、ゲーム・エロ・イベントが引っ張る?


「身体がデジタル化されるのはまずゲーム。

 バーチャル空間に置き換わっていく。

 だが全部置き換えられるわけではなく、リアルは環境を破壊する『ぜいたく』として残る。」


東大はVRセンターで総長が講演し、メタバース工学部が授業を始めた。京大は寺をメタ化したテラバース。大学はメタ化する?


「授業がメディア化し、活動・交流の機能がソーシャル化する。

 バーチャル空間と、『ぜいたく』なキャンパス空間の設計が大事。」


メタバースでの「クリエイターエコノミー」が成立する条件は?


「クラスターの空間ではみんなが参加して作る自己増殖が始まっている。

 そこでの経済圏の成立は、バーチャル空間で生活する人の数に依存する。

 メタバースで暮らす人が多くなることで広がる。」


VRは来るのか?


VRはメタバースの一側面にすぎないが、来ることは確実。

 コンピュータと人間の距離が縮まってきている。

 当初は部屋いっぱいだった計算機がPCからスマホとなって体との距離が縮まった。

 HMDになり、レンズになり、BMIで脳との直接交信までいく。」


web3とメタバースの関わりは? 


web3とメタバースは『関係ない』。

 たまたま同じ時期に盛り上がっているだけ。

 メタはコンピュータが肉体から解き放たれるというイデオロギー。

 VRはそのテクノロジー。

 web3は非中央集権というイデオロギー。

 ブロックチェーンはそのテクノロジー。」


アトムからデータへ移行しメタ1stになる。食事・排泄以外はメタになる。著書にそうあるが、推進要因は?


「リアルは環境破壊。その観点で進む。

 より大きく進む要因は、疫病と戦争と少子高齢化。

 コロナで進んだ。戦争でも進む。

 高齢化は引きこもりメタを増やす。」


身体性を重視しておられる。存在=情報、居ることがコンテンツになる、という概念は面白い。さらに身体が分散、合体、交換でき、変身もできると。


「複数の肉体を一人が操り、複数の人が一人を操縦する。

 身体がバーチャルで拡張する。

 自己と他者の区分も問い直される。」

 

「メタバースはまだ古典力学に即した表現だ。

 物理法則を超えて、空間をぐにゃっとさせたり、光速を超えたりと、存在しない世界を造れる。宇宙を造れる。

 物理空間としての都市を模してもおもしろくない。

 ぐにゃっとした金閣や、金閣と銀閣を合体させた建物も生める。」


日本の強みは?

1.IPの厚み、歴史・文化の厚みがある。

 2.身体・キャラの考え方が特殊。「カワイイ」デフォルメ、アニメへの理解度の高さ。

 3.クリエイターの数。国民性や教育という基盤。」


完全同意。

まるごとクールジャパン論です。


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