■ありがとう、東京2020。
57年ぶりの。誘致から8年。待ちに待った、五輪。
コロナ禍で賛否渦巻く中での成功。
無観客であれ何であれ、やってなかったと思うとゾッとします。
アスリート、スポーツは尊い。
ネガ反応も受けつつ、それを跳ね返し美しく闘うみずみずしい男女、尊敬します。
ありがとう。
日本目線での快挙がたくさんありました。
大橋悠依さん、水泳王者種目の2冠。
橋本大輝さん、体操の華、総合と鉄棒の2冠。
欧州の奥義、フェンシング・男子エペ団体。
柔道大野将平さん、川井梨紗子さんの連覇。
入江聖奈さん女子ボクシング初制覇。
「ゴン攻め」の逆転劇も元気をくれました。
卓球水谷・伊藤組、スケボー堀米雄斗さん西矢椛さん。
きょうだいの金もありました。
柔道阿部兄妹、川井姉妹。
女子バスケ銀も、女子ゴルフ稲見さん銀も、自転車女子オムニアム梶原さん銀も、偉業です。
日本女子すげー
メダル、数えてみた。
金27:女子14、男子12、混合1。
銀14:女子8、男子5、混合1。
銅17:女子8、男子8、混合1。
計58:女子30、男子25、混合3。
紅組、圧勝。
大坂なおみさん、桃田賢斗さん、瀬戸大也さん、男子400mリレー、男子サッカー。
金の期待をしょいながら、地元プレッシャーか、応えきれないかたもおられました。
でも他種目の金ラッシュが眩く、気分はポジです。
いかにメディアの事前評があてにならないかも知りました。
開催前、この五輪のレガシーは、
1.五輪を五輪に戻すこと、
2.コロナからの復興を示すこと、
3.データを遺すこと、
の3点と考えました。
「五輪のレガシー」
http://ichiyanakamura.blogspot.com/2021/07/blog-post_20.html
1.アスリート中心の、スポーツに純化した大会に戻す。
これは成功したでしょう。
ぼくは無観客には反対でしたが、とはいえ、キャッチング音、バットの快音、選手の声だけの野球を、実況も解説もないネットで観て、新しい魅力を得ました。
大都市でない、地方都市の分散でもできるね、とも感じました。
2.コロナからの復興を示す。
示せたでしょう。
取り分け、欧米のようにマスクなし生活が戻らず、感染状況が悪化する中の日本でも大過なく開けたことは、世界に光を届けたと思います。
3.データはまだわかりません。今後どれだけ利用できるようになるか。
でも、AI・IoT、4K8K5G、ロボット・ドローン。
テックの総合ショウケースは示せました。
陸上トラックではたらくロボ、AIによる実況中継、水泳の秒速表示。
自転車トラックではIoTカメラが大活躍でした。
これら機器の遺す全データを使いたい。
eスポーツも爪痕は残しました。
IOC主催「Olympic Virtual Series」が五輪前に野球、サイクリング、ボートなど5種目を開催。
パリ、ロスにつながることを強く希望します。
改めて日本に引き戻すと、金が中米に次ぐ3位。総数では米中ロ英に次ぐ5位。
これほど列強に伍すことは未来ありますまい。
五輪のメダル数は国力を反映する。経済文化政治の総力を端的に示す。国旗と国歌をかける争いでこの場を上回るものはない。近代の国家主権の象徴。
ぼくはそう考えてきました。
その昭和な考えは鮮やかに覆されました。
スケボーやクライミングなどシティ系の新競技は、ハングリー精神よりも笑顔を見せる涼やかさ、背負うものは国家ではなく、愛や友情のようでした。
スケボー女子パーク、ゴン攻め4位の岡本碧優さんをライバルたちが担いだ姿は時代の転換を示す歴史的場面です。
スケボーはストリートとパーク、男女4種中、堀米さん西矢さん四十柱さんと3つの金。お家芸だ。
しかも女子メダリスト4人は19歳、16歳、13歳、12歳!
楽しんで、笑って、国は二の次。
そんな姿をティーンズが発信してくれたのは(また国に戻って申し訳ないが)日本にも未来があると思わせました。
ニッポンお家芸の野球、ソフト、空手はパリにはありません。
東京開催のごほうびでした。
もういいよね、メダルとか国とか。
孫のような女子にそう言われているかんじ。
死にものぐるいでメダルを競う国家型の近代五輪は反転し、超近代の、ユルく楽しむ祭典になる。
これが最大のレガシーかと。
反対、批判、混乱を乗り越え、開催してくださった全ての関係者、参加者に感謝申し上げます。
本当にありがとう。
3年後のパリまで、この余韻で、酒を飲みます。