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Channel: Ichiya Nakamura / 中村伊知哉
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CiP協議会、会員を募集します。(下)

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■CiP協議会、会員を募集します。(下)
 社団法人「CiP協議会」説明会メモの続きです。
 研究開発を始めます。まだテーマは決まっていません。協議会を作って、理事企業の提案に基づいて決めていきます。ただ、現時点で要望を頂いているものを挙げてみると10個ぐらいあります。技術開発やビジネスモデル、政策研究、教育カリキュラム。理系だけじゃなくて、法律、経済、デザイン、いろんなジャンルのかたがたに協力いただきます。

 3つばかり紹介しましょう。
 

1)超人スポーツ。ウェアラブルやロボティクスなどの技術を使って、キモも超人になる、というスポーツを開発します。既に超人スポーツ委員会を設立し、プロジェクトが別途立ち上がっています。その活動をここに誘致できないかと考えています。
2)次世代サイネージの開発。2020年に向けて、4K8Kで、多言語で、防災対応のサイネージシステムを開発して整備したい。今これは総務省でも研究会が開催されていて、東京都も熱心に取り組んでいるので、竹芝を特区にして、ショーケースにできないかと目論んでいます。
3)アーティストIDの研究。音楽業界がアーチスト・コモンズという活動を始めました。アーティストのIDをつけていき、コンテンツやグッズなどが流通・管理しやすいようにする。そのためのシステムと、データベースを構築したい。それと連動する音楽と映像のアーカイブを、著作権特区として竹芝に置けないものでしょうか。
 

 こうした研究を進める中核として、私の所属するKMDは竹芝に拠点を置きます。共同研究を進めているスタンフォード大学にも来てもらおうと考えています。それだけではなく、例えば東大、例えばMIT、例えばオックスフォード大学といった内外の大学や研究機関に声をかけます。いずれは共同研究機構を立ちあげたい。
 CiPの2つ目の柱、人材育成でも、大学に加えて、専門学校などと連携して、プロのクリエイターやプロデューサーの育成を図ります。同時に、NPOや学校などと連携して、初等教育のデジタル化の底上げも図ります。
 既に私のグループが文科省のマンガ・アニメ人材育成事業として、各種学校や関係企業とともにデジタル人材育成の方策を練っています。また、子どもの創造力活動をしているNPO CANVASと一緒にプログラミング教育の全国展開を進めています。これらと連動して、初等教育から高等教育までのデジタル・コンテンツ人材の育成策を講じたい。
 CiPのもう一つの柱、ビジネス支援で言えば、日本動画協会が中心となって、アニメ業界と他の業界とのビジネスマッチング策を進めています。こうした活動をCiPとも連動して広げられないかと相談しているところです。
 そのようなマンガ・アニメの人材育成やビジネスマッチングを、例えばゲーム、例えば音楽といった他のコンテンツ領域にも広げて、業界横断のコミュニティができないかと。

 産学官の官とも仲良くします。本件は総務省、経産省、文科省、内閣官房知財本部、そしてもちろん東京都のかたと相談をしています。首相官邸がこの構想に関心を持ってくれているし、既に国家戦略特区として位置づけられているので、政府にも知恵とアイディアをぶつけて、これまでできなかったようなことにも挑戦します。
 特区アイディアもあります。
 たとえば著作権特区。この場であれば蓄積・公開できるアーカイブやマーケットができないか。電波特区として、通信・放送融合実験や、ドローンレースができないか。サイネージ特区として、屋外表示規制をとっぱらって、大規模なディスプレイができないか。ロボット特区、超人スポーツ特区を作るために道交法をゆるめてもらえないか。このあたりもみんなで知恵を出したい。

 という場づくり。1.5haの都有地に39Fの業務棟ができて、8,000㎡の共同施設を設けます。ラボや教室、ホール、スタジオといった施設。90m四方だからまあまあボリュームはあるでしょう。これとは別に現在もある産業貿易センターも存続するので、イベントスペースも身近にあります。その上にオフィスが置かれます。ただし、CiPに入会することと、ここに入居することは別。CiPはコミュニティであり、この竹芝を本拠地としつつ、ビルができる前からあちこちの場所を使って活動をガンガン進めます。

 協議会は各種分科会を置いて活動する予定です。ただ、どのようなグループを作るかは、理事会員と相談して決めます。理事になってくれる企業がプロジェクトをリードして、そこに会員各社も参加する、という姿をイメージしています。
 GW前後に設立総会を開いて、すぐに勉強会や分科会をスタートします。慶應義塾大学のキャンパスはじめあちこちの場所を使ってプロジェクトを進めます。これまでも準備会として毎月さまざまな情報交換をしてきましたが、それらを続けつつ、プロジェクトに力を入れます。今年協議会を立ちあげ、19年に街開き、20年にオリンピック、その後さらにドライブをかけます。
 最後に、参加費。
 理事は年100万円、一般会員は年25万円と設定しました。
 理事は予算・事業計画を作り、運営を主導します。会員は全ての活動に参加できます。具体的には、理事はプロジェクトを提案し、グループを形成できる立場。理事の数だけプロジェクトができるイメージです。
 既にNTTdocomo、GREE、TFMなどいくつもの企業・団体から理事としての参加意向をいただいています。

 なお、社団法人の事務運営コストはビルの事業主体から資金が拠出され、ベーシックな部分はそれで回します。会費収入は全部プロジェクトに回すので、通常のコンソーシアムよりかなりお得です。
 もちろんそれはミニマムコストの話で、共同研究開発を進めるには、国の研究費を含めて、資金を調達する必要があります。起業支援などを進めるためのファンドの形成ないし既存ファンドとの連携も重要テーマです。このあたりも理事・会員と相談していきます。


 入会案内は、こちら。
 http://takeshiba.org/cip_materials/

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