■コロナ、ウクライナ、そして未来。学会@iU
ぼくが会長を務める国際公共経済学会CIRIEC。
本部はベルギー。国際的な学術ネットワークです。
iUにて初の学会を開きました。ようおこし。
シンポ「コロナ、ウクライナ、そして未来」。
「この数年、世界はコロナとウクライナ、2つの試練に立ち向かってきた。
ウィルスは人命を脅かし、経済を壊す一方、テレワークや遠隔教育などDXを推し進めた。
14世紀のペストはルネサンスを生んだ遠因とされるが、21世紀の疫病は何かを生むのか。
「ロシアが起こした紛争は、近代国家がなお領土を求めて歩兵戦を繰り広げつつ、サイバー攻撃や偽情報などデジタル戦も絡み合う。と思いきやイスラエルやガザでも戦火がたちのぼる。
世界はまた戦争の時期に入った。21世紀の戦争は何を遺すのか。
コロナとウクライナ。自然と人工のダブル試練は、前後の時代を画する事件。
乗り越えた先、どのような変化があるのか。
発展し、成長し、大きくなるものもあろう。
衰退し、封じられ、小さくなるものもあろう。
どう対応すべきか。
そして、公共経済学が向き合う課題は何か。」
パネルの登壇者
藤井浩人美濃加茂市長
モンテ・カセムAIU国際教養大学学長
菊池尚⼈CIRIEC理事
大﨑洋万博催事座長
石戸奈々子KMD教授
カン・ハンナさん
柳川範之東大教授
山口真一国際大学准教授
バックグラウンドが全員バラバラ。
政治、都市、音楽、お笑い、教育、社会、経済、ネット。
案の定、コメントもバラバラ。
でしたが、強引に解釈してみると、
この変化は続く(大﨑さん)、入口(柳川さん)。
AIの衝撃もあり(石戸・山口さん)、逆に国家や自然への回帰をもたらすかもしれない(カンさん)。
ローカルとして世界に向き合い(藤井・カセムさん)、成長や進化とは別のものさし(大﨑さん)、ウェルビーイング(柳川さん)や満足指標が求められる(山口さん)。
「祭り」が大切で(大﨑さん)、ミクロなコミュニティや人とのつながりが見直される(柳川・山口さん)。
というところに収斂しました。
が、そのうえで大事なのは、「土いじり」(大﨑さん)であり、「恋愛」(藤井さん)であると。
そうかもしれません。
国際公共経済学というのはマクロを扱う幅広い学問である。
はずですが、専門の学者が集まると、視野狭窄のベクトルが働きます。
大きな変化を楽しみ、前提を壊して、ミクロに目を凝らす。
いま大切なことだと思います。ありがとうございました。