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Channel: Ichiya Nakamura / 中村伊知哉
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コロナ、ウクライナ、そして未来。学会@iU

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コロナ、ウクライナ、そして未来。学会@iU


ぼくが会長を務める国際公共経済学会CIRIEC

本部はベルギー。国際的な学術ネットワークです。

iUにて初の学会を開きました。ようおこし。

 


シンポ「コロナ、ウクライナ、そして未来」。

「この数年、世界はコロナとウクライナ、2つの試練に立ち向かってきた。

ウィルスは人命を脅かし、経済を壊す一方、テレワークや遠隔教育などDXを推し進めた。

14世紀のペストはルネサンスを生んだ遠因とされるが、21世紀の疫病は何かを生むのか。

「ロシアが起こした紛争は、近代国家がなお領土を求めて歩兵戦を繰り広げつつ、サイバー攻撃や偽情報などデジタル戦も絡み合う。と思いきやイスラエルやガザでも戦火がたちのぼる。

世界はまた戦争の時期に入った。21世紀の戦争は何を遺すのか。

コロナとウクライナ。自然と人工のダブル試練は、前後の時代を画する事件。

乗り越えた先、どのような変化があるのか。

発展し、成長し、大きくなるものもあろう。

衰退し、封じられ、小さくなるものもあろう。

どう対応すべきか。

そして、公共経済学が向き合う課題は何か。」

 



パネルの登壇者

藤井浩人美濃加茂市長

モンテ・カセムAIU国際教養大学学長

菊池尚⼈CIRIEC理事

大﨑洋万博催事座長

石戸奈々子KMD教授

カン・ハンナさん

柳川範之東大教授

山口真一国際大学准教授

 

バックグラウンドが全員バラバラ。

政治、都市、音楽、お笑い、教育、社会、経済、ネット。

案の定、コメントもバラバラ。

でしたが、強引に解釈してみると、

 

この変化は続く(大﨑さん)、入口(柳川さん)。

AIの衝撃もあり(石戸・山口さん)、逆に国家や自然への回帰をもたらすかもしれない(カンさん)。

ローカルとして世界に向き合い(藤井・カセムさん)、成長や進化とは別のものさし(大﨑さん)、ウェルビーイング(柳川さん)や満足指標が求められる(山口さん)。

「祭り」が大切で(大﨑さん)、ミクロなコミュニティや人とのつながりが見直される(柳川・山口さん)。

というところに収斂しました。

が、そのうえで大事なのは、「土いじり」(大﨑さん)であり、「恋愛」(藤井さん)であると。

そうかもしれません。

 


国際公共経済学というのはマクロを扱う幅広い学問である。

はずですが、専門の学者が集まると、視野狭窄のベクトルが働きます。

大きな変化を楽しみ、前提を壊して、ミクロに目を凝らす。

いま大切なことだと思います。ありがとうございました。





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