■クールジャパン:道
NHKクールジャパン「道」の巻。
日本は周りが海だし、国土は狭くて山あいだし、欧米や中国のように広い陸地で陸路が発達した国と違って、あまり「道」には恵まれていなかった。
だけど日本の道が面白いという声が多いんですよ。
「高速道路」
首都高は1964年の東京五輪に向けて作られた20世紀・昭和のインフラ。
NYやボストンの高速道路をモデルにして作りました。
欧米の高速道路は都心の周囲を走るが、東京も大阪も街の真ん中を突っ切る。
摩天楼の中を飛ぶように走る。
20世紀・昭和の未来像を実現したもの。
日本橋はお江戸の水路の上に、昭和の道路を通した。
今度は景観を取り戻そう、地下に埋めよう、という動きになっています。
21世紀・令和にどんなインフラ、どんな道を作るのか、楽しみ。
「クラクション」
ぼくが若かった60年代からバブルのころまで、日本はアジア的に渋滞がひどくて、クラクションもうるさかった。
今かなり渋滞は改善されて、クラクションもさほど聞かない。
ドライバーがクールになってきたことと、渋滞を解消するテクノロジーが広がってきたこと、ソフトとハードの進化。
これからは、道にセンサーやカメラなどを埋め込んで、人工知能とデータでもっとハードをハイテク化していく。
インフラを技術で高度化していくのは日本のお家芸。
安全で、早く走れて、楽しい道を作っていってほしい。
「熊野古道」
欧州の聖地巡礼は石畳のイメージだけど、熊野は奥深い何もない田舎道の山道。
なのに、欧米で知名度の高い旅行誌「ロンリープラネット」で特集されるなど、常に高い評価を受けています。
熊野古道のある和歌山県田辺市では、外国人宿泊者が2011年の1200人から2018年には4万4千人まで35倍も増えました。
その要因はストーリーとヒストリー。
神様が住んでいるという物語と、1000年以上も、天皇も武士も庶民もずっと歩いてきたという歴史。
日本の始まりという神秘性と、でもみんな気軽に歩けるという庶民性、のミックスでもある。
この環境を維持することに地元のかたがたも大変な努力を払っています。大切にしてもらいたい。