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Channel: Ichiya Nakamura / 中村伊知哉
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AI時代の国語力?

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■AI時代の国語力?


NewsPicksから「AI時代の国語力」についてインタビューを受けました。

春の入学式でGhatGPTの祝辞とぼくの祝辞の両方を披露したのはなぜか、という問いです。

AI祝辞は正しくて論理的だけど、おもしろくなかったからです。

 

AIは論理的で整然とした「正しい」表現は得意だが、おもしろい、突拍子もない、感動的な表現は苦手。

だからAIはマニュアルや教科書や弔辞は上手いけど、エッセイやお笑いや祝辞は苦手。

国語の達人として思い浮かべるのは、三島由紀夫、ユーミン、ダウンタウン。AIには遠い道。

 

とはいえそんな力もAIはいずれクリアするだろう。それに向け鍛える必要がある。

おもしろくするスクリプト、つまりAIへの問いかけが大事。

これまで先生が質問して生徒が答えてきた。これからは生徒が質問してAIが答える。

AI時代の国語力に必要なのは質問力

 

並んで必要なのは編集力

AIが無数に生む情報を、選ぶ、切る、貼る、組み合わせる、そして自分の表現にする。

そう、DJの仕事です。DJ力

 

ぼくは正しい、論理的な表現は役人時代にテッテ的に鍛えられた。

けれど、じゃない系のクサい表現にあこがれるぼくが

日々tweetやNewsPicksでコメントしているのは、

その力を鍛える訓練なのです。

 

歴史は演説で作られてきた。文章で作られたことはない。

オーラルの表現力が改めて注目されるだろう。演説力

ぼくは演説やプレゼンを即興の瞬発力でこなすことは苦手で、

つまり大喜利力が低い(tweetやNPで鍛える項目でもある)が、

だから演説力は文章力がベースとなっている。

 

ベースの文章を引き出す「質問力」を鍛えてChatGPTをしもべにする。

それを組み合わせて自分の表現を作る「編集力」を鍛える。

そのうえで自分のプレゼン、パフォーマンスを強化すべく「演説力」を鍛える。

AI時代の国語力ってのは、そゆことじゃないですかね。と回答しました。


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