■音楽の聴き方
立川直樹さん著「音楽の聴き方」。
最近の経済系の学生はケインズも読んどらん。
メディア学生もマクルーハンを読んでない。
常識としての小説も映画も音楽も知らないよ。
という教授陣の声多数。
iU「読め見ろ聴け」選集を作ろう。
という話を吉本興業・大崎会長にしたら「音楽ならもうあるよ」。
という本。
1975年の100枚と、2021年の100枚。
いやはや。
ぼく自身、聴いてない知らない曲が多くて、一つひとつチェックせねば。
と同時に、ぼくが選んでもゼッタイ入れるよねという曲も多くて、興奮。
沖縄国際映画祭に来られた立川レジェンドをつかまえて、思いをぶつけました。
75年、立川さん26歳の100選。
シド・バレットから始まる。
なぜですか?
「好きだったから」。
Gigoro Auntのベースが今もぼくの頭でリフレインします。
「そういう曲だよね」。
ジャケ写が載ってないのは権利問題?
「そもそも権利のありかがわかんないんだよ。」
デヴィッド・ボウイ。
京都で写真展を開かれた。
1980年だったか、銀閣寺前サーカス&サーカスでのP-MODELのライブ、ぼくの隣にハンチング姿のきゃしゃな外人が座ってました。
「ボウイや。」
ライブ中、騒然となりました。
焼酎のCM撮影で京都に来てたんですかね。
ぼく立川さんと会っていたのかも。
ピエール・バルー。
立川さんプロデュース「ル・ポレン」。
日本は元気でしたね。加藤和彦・高橋幸宏さんの趣味満載で。
「81年。あのころがいちばん元気だった。」
ぼくはVivreの「M.de Furstenberg」が好きで、パリの公園も探しに行きました。
(横で杉山恒太郎さんがあきれる)
ブリジッド・フォンテーヌ。
「ラジオのように」はアート・アンサンブル・オブ・シカゴ色が強くて、一つ前の「B.Fontaine est」のどちらにするか迷います。どちらもバルーが参加していますが。
88年来日ライブ、観に行きました。
「やった。でも残念ながら、パワーはなかったね。」
ブライアン・フェリー。
武道館のセット、「去年マリエンバードで」的だったとか。
「ブライアンは、手品師はタネを明かさないとニヤリとしたけど、図星だったんだろう。」
ぼく昔、チェコのマリエンバードの場所をつきとめてパリからクルマ飛ばしたことがあります。
(横で杉山恒太郎さんがあきれる)
反面、ジョアン・ジルベルト、キンクス、トーキング・ヘッズのように、入っていて当然なのにいないアーティストがありますが。
「選ぶ作業だからね。選ぶのは、難しい。」
情報量が爆発する時代、作る力より選ぶ力が大事になるのかもしれません。
DJは、選んで、組み合わせて、表現する。その力。
「前の晩にコステロを用意して通勤で聴くひとと、ストリーミングで聴く人は根本的に違う。」
「イヤホンでは内向きになる。音楽は空気を振動させて、エアで聴く。」
「音楽は人と人をつなぐもの。一緒に聴く。」
至宝のおことば。
「歌謡曲は作詞、作曲、編曲、歌手、すべてがプロ。だからスゴい。
テクニクスの超高級機でレコードコンサートを開きたい。」
立川さんが選ぶ歌謡曲。iUでやってくれませんかね。
ぼくは趣味が狭くて、一時期のものばかりスキで、例えばヒップホップはわからないんですけど。
「ヒップホップにも、いいものと悪いものとがある。全てのジャンルがそう。だから、言えることは、『聴け』ってこと。」
かしこまりました。
情報、あふれます。
とっちらかすのがイヤで目の前をいつもキレイにする人いますよね。
「セルジュがそうだった。机の上をいつもキレイにする。」
ゲンズブールが潔癖症! 肉眼で観ておきたかったかたです。
立川さんが作った京都国際映画祭のテーマ曲。
ひらめきを吉本大崎会長に話したら、佐橋佳幸さん、TAKUROさん、Dr.Kyonらが参加して、京都の小学生も参加させて、どんどん形になったという。
聴き方も、選び方も、そして作り方も大切ですね。
引き続きご指導のほどを。