■デジタル時代、どうする郵便局?
「デジタル時代における郵政事業の在り方に関する懇談会」
中間整理が発表されました。
座長代理を務めます。
プレゼンも致しました。
「郵政事業についてモノ申してしまいました。」
http://ichiyanakamura.blogspot.com/2021/03/blog-post_8.html
少子高齢化とコロナのパンチを食らう中でデジタル化を余儀なくされます。
郵便物数は過去8年で4割減少。長期低金利下、ゆうちょ銀行、かんぽ生命の資金運用も厳しいし、不祥事もありました。
さて、郵政はデータ活用や地方創生にどう向き合うか?
という問いです。
報告では、デジタル化・データ活用は
①業務効率化・既存サービスの質の向上
②新たなビジネス(収益源)の創出
③公的サービスへの活用
に分けて整理すべき、としました。
守り、攻め、公的利用の3本立てです。
①守りについて。
"配達原簿や顧客情報など郵政が既に保有するデータについては、信書の秘密や個人情報の保護に十分配慮しつつ、本来業務としての利用を中心に、「仮名加工情報」の活用も含め幅広く検討すべき。"
②攻めについて。
"「個人に着目した」「同意取得を前提とした」利用者にとってメリットのある魅力的な新しいサービスを開発・提供すべき(「匿名大衆」から「顕名個客」へ、「製品」から「体験」へ転換し、「利用者との新たな関係を作る」方向へ進むべき)。"
さらに日本郵政グループは、郵便局ネットワーク・リソースを最大限活用した「プラットフォーム・ビジネス」を提供すべきで、外部企業等と積極的に提携を図っていくことが必要としています。
ぼくもプレゼンでプッシュした点です。
"例えば、様々な業種のステークホルダーで構成される「スマートシティ」、「教育」などのプロジェクトに参画し、異分野を含めアンテナを高め、ビジネス・サービスのヒントを発見したり、パートナーを発掘したりする試みが重要。"
ぼくが進めるCiPや超教育の活動も参考になるでしょう。
具体的なサービスイメージとして以下を示しました。
・「情報銀行」となり、見守り、遠隔健康診断、保険サービス等を地域住民へ提供
・「スマートシティ」や「MaaS」を活用したプロジェクトに参画し、ドローンによる配送、客貨混載サービス等を提供
中間まとめに当たり、ぼくは2点コメントしました。
1)通信・放送の特殊法人は社会経済のインフラ面に加えて、先端分野を切り拓く先導役というダブルの責務が課されている。
郵政にも後者の先導役としての働きが求められる。
情報銀行、スマートシティ、プラットフォームという攻めの展開を期待する。
2)とはいえ、日本郵政という民間企業の経営戦略だから、ここでの整理はイメージ、ヒント止まりでよい。
他方、これに関し、国や政府が何をするのかが重要だ。
今後その辺りを掘り下げていくのが良い。
プレゼンでぼくは「通信事業者になったりICTビジネスに進出していてもおかしくない。郵便局が楽天のポジションを取っていても不思議ではなかった。」と申し上げたのですが、その際、座が凍った感じがしたんです。
言い過ぎたかな?
ところが、中間まとめ会議後、郵政と楽天が資本提携を発表しました。
ビックリ。
だけど、ですよね。
よそものがしのごの議論してるより、会社が自らのDX戦略でグイッと踏み込んでいく。
それをしばし拝見。
という場面転換か。了解。
というところです。
ひとまずご報告まで。