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Channel: Ichiya Nakamura / 中村伊知哉
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STEAM? まかせとけ。

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■STEAM? まかせとけ。


日経こども未来経済フォーラム「DX時代における創造性を育む学びとは」。

女性4人におっさん一人。場違いなところに参加しました。

テーマはSTEAM。まずは自己紹介。

 


20年前から日本のさきがけとしてSTEAM活動をしてきたが、教育界はデジタルに後ろ向きだった。2010年から学校デジタル化の推進団体を小宮山宏・元東大総長や孫正義さんらと進めたが、教育界から反対を食らい、文科省のブラックリストに載ったりして、たいへんだった。

 

デジタル教育を推進する法律の策定やプログラミング必修化までに10年を要した。そしてコロナが来て、GIGAスクールで11PCが一気に実現した。デジタル途上国から一気に先進国になる希望もわく。しかしまたAIで場面が転換する。いまAI時代の「超教育」に取り組んでいる。

 

2020年、デジタルを駆使するイノベーターを生む大学iUを新設した。AIで世界の大学の半分がなくなるという予測もあるが、それでも求められるクリエイティブな場を作る。デジタルやAIで、知識を頭に詰める従来型の教育ではない、創造力を育む教育が幼児教育から高等教育まで実現できる大きな機会が来ている。



質問2つ。


1. GIGAどうよ?

文科省調査。先生はプラスの変化があると言い、今後に成果を期待している。

学習意欲が向上している、と評価されているのが重要。

日本の教育の最大課題は、他国に比して子どもたちが授業を面白いとも役に立つとも思っていない点。

デジタルの第一の役割は面白く役に立つと思えるようにすることで、成果は現れている。

 

地域格差もある。が、いずれ解消する。何より日本は世界との情報格差、デジタル格差が大きい途上国だったわけで、世界との格差が25年を一足飛びにして解消したのを喜びたい。

アナログでは世界に冠たる教育を築いた日本、先生方は優秀。

ここからデジタルで全国一斉に底上げする。

 

端末の更新コストが問題だったが、今般の補正予算で、全国の首長や教育長にも意見をもらい、国会議員たちにも力をいただいて、2600億円が組まれ、都道府県に基金が設けられることになった。ホッとしている。

 

次の課題は、家の情報化とAIとの向き合い方。

GIGA端末は家に持ち帰れていない。家庭のネット格差の問題。

4万の学校をどうつなぐか、から、子供のいる世帯1000万をどうつなぐか。

デジタル教育ユニバーサルサービス。

その中で、デジタルリテラシーも学び取っていくことが必要。

文科省の仕事というより総務省の仕事。

 

そしてAIをどう使うか。大学でも対応がバラバラ。

AIはデジタルに溶け込み使わざるを得なくなる。AIリテラシーが重要になる。

超教育協会は、全授業でAIを利用することを提言した。

iUAIの方針は「利用を推奨する」とわずか7文字にした。

デジタル敗戦の日本は、AI敗戦となるとチャンスはない。

 

Q2. 大人がすべきことは?

国はインフラに力を入れよ。

お金は公教育に投下する。文科省。

(企業への補助金は要らない。)

家庭のD化・ネット化。総務省。

AIやデータの利用を進める。デジタル庁。

これら関係省庁の連携が重要。つまり政治課題。

政権の第一テーマにしてもらいたい。

 

子供世代は自然とDX人材になる。問題は大人。

リカレントが重要だが企業はかつてのように社内で育てる余裕はない。

大学などと連携して育てる。

iU1000社と連携しているのも、それら企業の人材が学ぶ環境を作りたいということでもある。

 

リカレントとかリスキリングとか、働いて、また学校で一回学んで、というのは現実的ではない。

人生100年、変化し続ける時代、ずっと学び続ける、エバーラーニングの設計が大事。

大学も2年や4年で卒業じゃなく、1020年ずっといていいから学びたい時まなぶサブスクのような仕組みが必要。

 

それより先に、AI家庭教師が発達して、よいAI家庭教師を持つことが競争力を左右することになるかも。

AIにお金をかけられるかどうかの格差は決定的な格差になりそう。

なので「誰もがAIを使える」全員AI保証が大事。





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